2015年12月30日水曜日

覚える Billie's Bounce メロディを歌う 4

さてジャズの楽譜の八分音符をスイングに読み替える場合は頭の中では次のようになります。
4分の4拍子を数えるクロックを均等の8分音符ならば8分音符で数えれば8クロックでよいわけです。
ボサノバやロックなどは1小節を 1 ト 2 ト 3 ト 4 ト と数えるのでエイトビートと呼ぶわけです。

さてジャズのスウィイングの4ビートは1拍を3連音符2と1となるので

1 - ト  2 - ト  3 - ト 4 - ト

い ち と に い と さ  ん  と し  い  と

のように数えると12クロックで合います。つまり同じテンポでもクロックは細かくして数えないといけません。
音の大きさは アンダーラインは大きく そして (と) は軽くささやくくらいです。
2拍目と4拍目は強調します。
(と)の音がシンコペーシションの時にはアクセントをつけます。
これがジャズらしいアクセントになるのです。

つまりジャズはそれだけ細かくなっています。中に16音符が出てくると1拍が4等分ですから三連音符も同じクロックで数えるには12となるので1小節は48クロックとなります。
エイトビートなら16クロックで済むのに、難しくなりますね。
多分、きちんと48カウントするのは大変なのでビブラートのような感じでカウントしていると思います。他の方法でカウントしている人もいるでしょうね。

次回では楽譜を書いて見ます。

ではジョージベンソンのギターの演奏です。
スピードを半分にして聞いてみるのも良い方法です。
ツービートとフォービートの感じの違いをベースを良く聞いてみてください。

George Benson billies bounce

2015年12月29日火曜日

ベースがボーンとなったらドミソと鳴っています(倍音)

ベースの重い音が1音、ボーンと鳴るとその音をドと考えるとその音の中(成分)には真ん中あたりのドミソの音も一緒に小さく鳴っています。

つまりコードが鳴っているのですね。
しかし鳴り始めのタイミングが全く一緒でまた小さい音なので音色の違いとしかなかなか分かりませんね。

もちろんバラバラに聞こえる方もいるらしいです。
私には全く聞こえません。

ピアノの鍵盤の低いところをペダルを踏んだままで叩くと上の方の弦が共鳴して鳴ります。
電子ピアノでは弦が無いのでダメですよ。

トランペットなどをバルブを動かさずに口だけで色んな高さの音が出るのはその原理なのです。

トロンボーンを吹いてもらえば分かりやすいですね。

トロンボーンの最低音のBbの音を 
 ド(1) とするとスライドを動かさずに次に出る上の音は1オクターブ上の

 ド(8=1) が出ます。

その次から
 ソ(5) 
 ド(1) ミ(3) ソ(5) [テ(b7)] 
----このあたりがピアノの中央の辺で和音になっています。

この辺から殆ど音階になります。
 ド(1) ゥレ(2) ミ(3) [フィ(#4)-] ソ(5) [レ(b6)+] [テ(b7)-] ティ(7) ド(1)

[ ] の中の音は若干ズレています。+は上に、-は下。


クリックで大きくなります。
右の楽譜は 
C2 の音64Hzを基音とした時の16倍の音までの音の周波数を表しています。黒の符頭の音は平均律の周波数からズレを矢印の方向で表しています。
これを倍音列と呼びます。

同様にギターなどの弦を真ん中を軽く押さえて鳴らすと1オクターブ上の音が出ます。3分の1のところでは5度上が出ます。つまり整数分の1が各倍音になります。

ハーモニックスで調弦が出来るのはこのためです。

このように倍音同士は簡単な周波数比なのでよく響きます。これが自然な響きなので純正率で演奏すれば綺麗なのですが転調すると周波数が全部変わり不便なので平均律が考えられました。

和音はこの倍音列の音同士を使うとベースの倍音も強調され綺麗な響きを作れます。

つまり和音とはベースの音の色んな倍音を強調して音色を変えているようなものです。



それではポートランド出身のエスペランザ スポルディングのベース一本での素晴らしい歌とベースを聞きましょう。

Esperanza Spalding - Interview / Midnight Sun - 8/10/2008 - Newport Jazz Festival (Official)


2015年12月28日月曜日

覚える Billie's Bounce メロディを歌う 3

8小節まで覚えたので、いよいよ最後の4小節です。

移動 ド のド ゥレ ミ ファ ソ ラ ティ ド(do re mi fa so la ti do)です。
休符は (ん) にします。
キーがFメージャーなので
(do=F re=G mi=A fa=Bb so=C la=D ti=E do=F) です。

前回に追加すると
シ(si) は ソ(so) の半音上(シャープ)の音です。7番目の音ティ(ti)と間違えないように。




それでは最初は音程無しで読むだけです。

|ラ ー (ん)ゥレ  [ディゥレディ]ラ ファ ゥレ |

|ド ー (ん) ド   ティ     ティ ゥレ ゥレ |

|ソ ー (ん) ド   ー      ラ  ド  ー  |

|(ん)ド  - ラ   ド      -  (ん - )|  


読めるようになったら歌ってみてください。


では全曲通して歌ってみてください。



                         ソ |
| フィ ソ ド ゥリ       ミ  ド ラ ド|

|- ラ ド   ー     (ん) ド - ラ |

|ド - (ん) ド       -  ラ ド ラ |

|ゥリ ミ (ドゥレド) ラ   ド ゥレ ド ド |


|(ん - - ) ミ       ファ ドー メ |

| ー ファ - ー         テ ソ ド テ |

|(ん) ド ソ -         (ん--) ティ|

|ー - ゥレ ティ        ディ テ ソ シ |

|ラ ー (ん)ゥレ  [ディゥレディ]ラ ファ ゥレ |


|ド ー (ん) ド   ティ     ティ ゥレ ゥレ |

|ソ ー (ん) ド   ー      ラ  ド  ー  |

|(ん)ド  - ラ   ド      -  (ん - )|


さてメロディに何の音を使っているか見てみると

見事に半音12音を全部使っていますね。



つまり核となるブルーススケールに

コードトーンと

半音進行を加えると

12音全てとなるわけです。




ブルーススケールは


ド(1) メ(b3) ファ(4) フィ(#4)  ソ(5) テ(b7) ド(8=1)  と上がって

---- (メ(me=b3) と リ(ri=+#2))は同じ音です。)

ド(8) テ(b7) ソ(5)  セ(b5)  ファ(4) メ(b3) ド(1) と下がります。




楽譜の左上のMedium Swing の下に 八分音符は3連音符の2対1と読み替えて演奏すると書いておきました。

これがジャズの4ビートのリズムの特徴です。

次回で説明します。



ひろみ と ミシェルカミーロの素晴らしいデュオと 強力なベースラインを楽しんでください。

Billie's Bounce / Michel Camilo x Hiromi (13th Tokyo Jazz Festival)




2015年12月27日日曜日

覚える Billie's Bounce メロディを歌う 2

前回も4小節目の付点が抜けていました。
今回は横に長い五線紙で書いてみました。


4小節目までは歌えて書けるようになりましたか。

今回は5小節目から歌ってみましょう。

移動 ド のド ゥレ ミ ファ ソ ラ ティ ド(do re mi fa so la ti do)です。
休符は (ん) です。 八分音符ごとに書いてゆきます。

ここからコードがサブドミナント(Bb7)に変わります。


|(ん - - ) ミ   ファ ドー メ |

| ー ファ - ー   テ ソ ド テ |

|(ん) ド ソ -    (ん--) ティ|

|ティ- ゥレ ティ   ディ テ ソ シ | ラ

と8小節目までと一音。
一小節の中を 2拍づづ スペースで区切っているのはイメージングバーラインといって
真ん中に小節区切りがあるようにイメージすればフレーズが分りやすいので音符をまたがないように書くと演奏ミスが減ります。
 印刷された物もまたいでるものがあるので注意してください。

メ(me) は ミ(mi) の半音下(フラット)
テ(te) は ティ(ti) の半音下(フラット)
ディ(di) は ド(do) の半音上(シャープ) の音です。

ケニーバロンとデイブホーランドのピアノとベースとのデュオです。
ベースに注意してリズムを取ってみてください。
ベースがリズムをリードしているのがよくわかると思います。

テーマを本来の2ビート フィール(2拍子の乗り)で演奏して、
アドリブに入ると4ビート フィール(4拍子の乗り)で演奏しています。

Kenny Barron & Dave Holland - Billie's Bounce


 


2015年12月26日土曜日

覚える Billie's Bounce メロディを歌う

覚えたようでも楽譜を書くのは結構難しいですね。

先日の楽譜もまだ判りにくいし最後の小節の休符が4分休符に見えますね。

私に分りにくいのは2小節目の3番目の八分音符があって八部休符があるのは
四分音符でスタッカートの点を打つか無しの方が間違えにくいですね。

書き換えてみた楽譜はこれです。少しは読み易いですかね。
一段を4小節にすれば構成も分りやすいのですが音が多すぎて無理でした。




メロディを歌ってみましょう。

移動 ド のド ゥレ ミ ファ ソ ラ ティ ド(do re mi fa so la ti do)です。
休符は (ん) にします。

ソ 
| フィ ソ ド ゥリ  ミ ド ラ ド|

|- ラ ド   ー  (ん) ド - ラ |

|ド - (ん) ド   -  ラ ド ラ |


と、ここまでが3小節です。

  フィ(fi) はファ(fa) の半音上(シャープ#)
  ゥリ(ri) はゥレ(re) のシャープ です。

歌うコツはすらすら読めて口ずさめるまでは音の高さはつけないほうが楽です。

そこまで歌えるようになったら

4小節目です。

|ゥリ ミ (ドゥレド) ラ  ド ゥレ ド ド |

ここの16分三連音符は 1音の ド だと思ってごまかすくらいが上手く歌えます。

|ゥリ ミ ド ラ  ド ゥレ ド ド |
でも良いわけです。装飾音符つまりコブシみたいなものです。パーカーはこれが好きですね。

さて今日はキースジャレット(P)、ゲイリーピーコック(Bass)、ジャックディジョネット(drums)
の素晴らしい演奏です。

ベースを聞いて追いかけながらメロディを口ずさんでみてください。

Keith Jarrett Trio - Billie's Bounce





2015年12月24日木曜日

覚える Billie's Bounce パーカーのブルース

ちょっと間が空いたのですが、また書いて覚える曲です。
今度もまたチャーリーパーカーのBillie's Bounceです。


まずは私が書いてみた楽譜です。

わざわざト音記号(高音部記号)を書いて調子記号を最初だけしかつけていませんでしたね。
ト音記号を書かないで調子記号を省略するほうが一般的ですかね。
最初からト音記号が印刷してある五線紙ならそれでも良いかもしれませんね。
まあ分れば良いとしておきましょう。

この曲はFのブルースでBbと並んで管楽器奏者の好みのキーです。
楽器がBbとEbが多いのでフラットが付いたほうが指使いが簡単になり演奏がしやすいですね。

ギター奏者は開放弦が使えるのでE、A、Dなどのシャープ系が好きなようです。

この曲はうっかりするとリズムを間違えやすいので、完全に理解しないと難しいので本気で覚えてみます。
もともとジャズのメロディのリズムは2拍子で出来ているようで2分の2拍子で数えていくと分りやすいようです。4分の4拍子で書いてあっても、そこは色々自由に行ったり来たり間に3拍子が入ったりしているので小節の頭を勘違いして騙されます。

モンクのRhythm-A-Ning、ロリンズのOleoなどは同じようにトリッキーですね。


ブルーの形式は12小節のメロディを2回繰り返してテーマにします。

Fのブルースの標準のコード進行は

F7   Bb7  F7  F7
Bb7  Bb7  F7  F7
Gm7  C7  F7  (Gm7/C7) ||

でアドリブに入ると複雑なコードになってる曲でも標準のコード進行でやっていることが多いようです。

まずパーカーのオリジナルの演奏を聞いて見ましょう。

Billie's Bounce / Charlie Parker The Savoy Recordings

やっぱり書くと覚えやすいですね。今頃分るなんてね。

2015年12月19日土曜日

ビッグバンドでのピアノのごまかし方

最近時々いくつかのビッグバンドでピアノやベースを弾いています。

痛感するのが音を出す前に、なるべく演奏を間違えるリスクを減らすための事前の準備がものすごく重要なんだなと思います。オーケストラのライブラリアンは重要な仕事ですね。

人数が多いと準備が悪いと必ず誰か間違えます。譜面を追うだけで一苦労です。

初見のGigだとちょっとつらいですね。まあ緊張するのも悪くは無いのですが。
練習はその次になります。

ビッグバンドの譜面で困っているのはピアノは2段譜の時は
ページ数が多いのでめくるのが大変な事です。

クラシックの演奏会のように、譜めくりの可愛い子がついてくれていれば嬉しいのですが、
そんな事は一度もありませんでしたね。

吃驚したのは裏表に印刷してあって完全にひっくり返さなければいけない譜面。
これは、譜面めくりの練習の方が大変でした。

最後のページから1ページ目にD.S してまた最後のページのコーダへ飛ぶなんてのは初見では難しいですね。失敗ばっかり。並べた順番が反対になっていて変だと思いながら最後まで気がつかないとか。
コピーをして使うのが前提で売っているのですかね。
事前にコピーしておかないとね。コピーしにくい大型サイズも多いし。

それとコピーをした7,8枚の譜面をテープで接続していなくてバラバラで、
お願いします、ともらってもね。本当に音を出す前の下準備が大切ですね。
風で途中で飛んでいったりで、音になりません。

スコッチテープは忘れないように持ってゆきましょう。

よく考えたらビッグバンドのピアノはソロの時と、ソロイストをリズムセクションのみでサポートする時以外はあまり音的には出番が無いのです。
ベースは殆ど弾かなければいけないけれど、ピアノは休んでも分かりません。

そういえば秋吉敏子のビッグバンドを聞きに行ったときも、殆どピアノには座らずに指揮していましたものね。

彼女が書いていた本に素晴らしいメンバーが集まってくれているから、なるべくソロを取ってもらうようにしているのでピアノの出番が少なくなると書いてありました。


私はクラシックのお稽古をしたことが無いので、コードが無くて両手の音だけ書いてあるものは、途方にくれてしまいます。

実はそういう譜面はバンドのグレードからすると簡単なものが多いのです。
管楽器は簡単なので初見ばっちりなのですが、こちらはしどろもどろになります。
そういう譜面は中学校や高校用で、練習をやって弾く事が前提のようですね。

バンドとして難しい物は殆どコードで書いてありますので、私にとっては楽なのです。

自分でアレンジ譜を書く場合はピアニストがどのレベルか分からない場合は書くこともありますがコードも書いておきますがね。

それと楽譜によってコードの書き方が多種多様でまったく意味不明のものもあります。
FMA7 FMi7、FMI7 など、よーく見ないと違いが分かりません。

でも何とか格好をつけなければいけないので

D.S(ダルセーニョ)などジャンプする場所を確認してマークしておくとか。

そういえばスコアリングの授業で、繰り返しはなるべく無くしなさい、といわれたことがあります。
私なんかいつも間違えています。

それと主に右手だけで弾いて左手で譜めくりをしています。

聞こえるのは高い音が主ですしね。複雑のコードの音が書いてあってもコードの上の音だけ外さないようにすれば、らしく聞こえるようです。

本当は弾ければ楽なのでしょうね。
いつか初見でクラシックの譜面がバリバリ弾けるようになりたいですね。
作曲が間に合わなくてピアノコンチェルトのコンサートを初見で弾いた話もありますよね。

あと30年頑張ろう。

と文句を言いながら今日と明日の2つのビッグバンドの準備を泥縄でしています。




2015年12月18日金曜日

キーによる音の進行エネルギー

メロディの進行にはある方向性がありエネルギーがあるようです。

メージャースケールの音階では

ド(do) ゥレ(re) ミ(mi) ファ(fa) ソ(so) ラ(la) ティ(ti=シ) ド(do) には「ミとファ」そして「ティとド」の間は半音ですね。

C メージャーのスケールで考えてみると、次の楽譜の矢印のような傾向があるようです。
つまり安定したトニックコードの構成音(135)に近いところに落ち着きたいし、ソ(5)の音はトニックのルートのドにジャンプしますね。大きな矢印が大きなエネルギーがありそうです。








さて最初に1オクターブ、ドゥレミと歌ってキー(調性)を確定します。

次に長く伸ばしながら一つの音づつゆっくり歌ってみてどんな感じがするか検証してみましょう。

1) ド はもう動きたくありませんね。でも何処にでも行けそうなので ゥレ(re) にも行けます。
 (re は英語の r なので舌をつけないようにして音を区別してください。la の半音下はle なので同じ発音にならないように)

2) ゥレ は少し動いても良いかなという感じで、
 ド から動いてきている場合は慣性のエネルギーで ミ にも行けます。
 ゥレー と長い場合は下のドに行って安定できます。

3) ミ の音は安定しているのですが下から上がってきていればファに行けそうです。

4) ファの音はミと半音しかなく黒の矢印になってエネルギーがありそうですね。

ド ゥレ ミ ファーー と伸ばすと ミ に落ち着きたくなりますね。
「かえるの歌」は ド ゥレ ミ ファ ミ ゥレ ド とスムーズにファから戻ってきていますね。

5) ソ の音は1つの音だけでは不安定な感じで大きくジャンプして
 5度下の ド か
 4度上の ド にジャンプします。
  五度圏とか四度進行などとわざわざ名前がありますね。
[注]ここで言っている度とは音の間隔のことで必ず下の音のメージャースケールで考えて何番目かということです。
下の ド と ソ は5番目で
 ソ と 上の ド は 今度は ソ の音を ド と考え直してそこからドゥレミファと4番目となります。
(G メージャスケール)

6) ラ の音はソに近いので行ってもよいかなという感じです。

7) ティ(ti) の音は 上の ド まで半音しかないのでひきつけられるという感じで
 黒い矢印となっています。

この キーによる音の動きの性質が音の数(声部)が増えてくると和音(コード)となり、コード進行の動き方に影響する重要な要素となります。

もう一つメロディのエネルギーは高い音には大きくて重力のようにだんだん波を打ちながら下がって行き、またジャンプしてエネルギーを補充してまた下がってゆく傾向があるようです。
ジャンプはコードの構成音の中だと何処でも行けるようです。
例えば「Over the Rainbow」 の ド(1) ド(8) と8度のジャンプ。
「酒とバラの日々」 の ソ ミーー と6度のジャンプが有名です。

ハーモニカとの演奏です。

Bill Evans: Days of Wine and RosesBill Evans: Piano Bass: Marc Johnson Drums: Joe LaBarbera Harmonica: Toots Thielmans



2015年12月16日水曜日

フラット 9th(ナインス) の響き

2つの音を一緒に鳴らしたときに一番綺麗でない音はフラットナインスといわれています。

フラットナインスというのは1オクターブ(8音)と1音目(9番目)の音が半音下がったものです。
つまり一オクターブ上の音の半音上の音です。
オクターブユニゾンで上の音が半音上がった響きということです。
メロディが上ずったら聞けませんよね。そのような音に近いのです。

例えば中央 C の音と1オクターブ上のDbの音を出してみるとわかります。
同じ大きさで鳴らすとギャーという音です。

これは特にコードの根音以外の音との場合注意しないといけない音となります。
例えばCのコードは C E G ですが E から数えてフラットナインスは上のFの音になります。

これも実は0.5秒以下なら気にならないのでメロディには良く使います。

0.5秒というのはテンポ60の時の八分音符の長さですね。
アドリブなどで変な音を出したと気がつけば0.5秒以内に半音下げると合います。
耳を信じてよいメロディにすれば音楽になります。

しかしC7b9のコードは良く出てきますね。綺麗な音ですよ。

これは構成音が C(1) E(3) G(5) Bb(b7) Db(b9) なので、ルートのC と b9 のDb の間に3度ずつ埋まっているので綺麗な音になります。
端の音同士の響きまで気になりません。
つまりこの形だけが使えるのです。

ルート以外の構成音とがフラットナインの時だけ問題になります。

しかしこれもメロディとなってない音を小さく演奏するともごもごする音色となり魅力的だとわざと使う場合もあります。

注意を要するのはAm9等の音を並べる時に

下の音から
 
A(1) G(b7) B(9) E(5)  C(b3)

 と並べると Bと上のCの音の間隔はフラットナインとなり濁ります。
 その時はCを一オクターブ下げると綺麗に鳴ります。

 A G B C E  と並べます。

***これはアレンジの宿題でうっかりすると、よく間違えていました。***


同様に Cmaj7 の時も同じようなことが起こります。
コードを 1オクターブ下からC E G B と並べた時にメロディが一オクターブ上のCだと
余り良くありません、歌だとつられて半音下のBの音を出したりしますね。

そういう時はコードにCを追加して解決するのですが、半音でぶつかっている音がコードの一番上の音も良くないのでもう一つ3度上に追加して

 C G B C E  メロディが上の C

と置き換えると綺麗な響きがします。


それにわざとその音を使ってアクセントにも使えるので、フラットナインスも考えて使うところが面白いところですね。

作曲家やアレンジャーは自分の耳を信じて、そこを上手く使って魅力を引き出しています。

ビッグバンドのアレンジにうまく使っている例があるのですが、見つけたら紹介しますね。

ジャズだけでなく音楽には何の音でも使えるわけですね。
打楽器には音程が無い物が多いですしね。

面白いですね。

今年最後のジャズピアニカトリオのライブとワインで良いお年を!

Reverbnation.com のオレゴン州ポートランド、
       ジャズ部門ランキング第2位(1/05/2015)
Jazz Society of Oregon の10月号にも紹介されました。

ジャズピアニカ 田川康吉トリオ

ジャズスタンダードやボサノバの演奏です。
ジャズとワインを、お楽しみください。

Kokichi Tagawa(ピアニカ、ピアノ), J Jorgensen(ベース), Nick Saume(ドラム)

日時:12月30日 水曜日 夜8時から10時まで
場所:Corkscrew Wine Bar 
1665 SE Bybee Blvd PortlandOR 97202
音楽チャージ:無料

田川康吉(Tagawa,Kokichi)
ジャズピアニカ、ジャズピアニスト、ヴァイブラフォン、ドラム、ベース、作編曲。
1946年広島生まれ長崎育ち。
電話エンジニアとして広島、東京、尾道、倉敷へ。
92年に46才でボストンへ。95年バークリー音大卒
 Jazz Composition Magna Cum Laue。
ヴァイブラフォンをGary Burton、Ed Saindon。作曲をTed Pease 各氏等に師事。2002年ケンタッキー州レキシントン
2012年よりオレゴン州ポートランド在住

Scrapple From The Apple(Charlie Parker) Kokichi Tagawa Trio at Corkscrew Wine Bar

2015年12月15日火曜日

動画二つを合成 AviUtl 最後の一発 銅鑼 を叩いた動画です

引き続き Canon iVIS mini X で撮ったツーソンレパートリーオーケストラの吉備中央町のコンサートの編集をAviUtl 拡張編集 で継続しています。

今回は2階席から撮ってもらったビデオと合成してみました。
残念ながらYoutubeからダウンロードした物は解像度が劣化している(1280x720と表示するが多分その半分)のでズームが出来ません。
そこで上の方に表示させ1階から撮った画面(1920x1080)を下地にしてそちらを少しズームする事にしました。

今回は、アンコールで人気の パイレーツ オブ ザ カリビアン を演奏し、私も当日駆り出され、ボンゴとドラ(銅鑼)で参加しました。いろいろ出来て楽しかったなあ。

 倉敷ジュニアオーケストラの中国公演の時に買ってきたという特注の銅鑼だそうです。

曲の終わりにグワーンと一発、叩くという重責でした。
鳴らす前に準備で小さく鳴らしながら叩く良い音が鳴るという事も始めて知りました。
40年前パーカッションだったのにね。

うまく指揮者がサインを送ってくれたので叩けてほっと一息でした。

AviUtl Ver 1.00 の拡張編集画面
クリックすると画面が大きくなります。


1.下の細長い拡張編集の画面のLayer 1 に一階のMP4の動画をドラッグ&ドロップします。
 すると画像がLayer 1、音声がLayer 2に入ります。

2. 次にパイレーツの曲の頭に画面を見ながら編集カーソルを動かします。画像の所にマウスのカーソルを動かし右クリックで分割をクリックし前の不要なデータ部分を左クリックしてDelキーを押して不要なデータを消去します。同じように終わりの部分も消去して曲のデータのみにします。

3. 全体を0秒の所にドラッグし動かします。

4. 同様に二階のMP4の動画をLayer 3、4にいれ少し長めに曲のみをカットします。

5.今回は一階のデータが縦1080p(1920x1080)で2階のデータが720pなので動かさなくても両方見れます。

6.音声の同期を取る
  次に画面を見ながら音も聞きながら2つの動画が同じように動くようにLayer 1の方を前後に動かして合わせます。この作業が大変です。
  時間軸を拡大したり縮小して合わせます。時間軸は左上のRootと書いてある下の青の棒を右に動かすと細かくなります。

  今回は指揮者の棒が一番下に下りた画面を見つければよかったので少し楽でした。

  一画面でもずれないように注意してください。

7.同期が取れたら改めて始めと終わりを決定して後は消去します。

8.次にデータが無いレイヤーで右クリックして

  [範囲設定/最後のオブジェクト位置を最終フレーム]を選択します。

  これを忘れると最後空白が延々と続きますし、データ出力もその時間分増えて遅くなります。
 
9.音声レベルを最大に上げる

 使用する音声データ(今回は一階の動画の音声)をクリックすると画面再生ウインドウの下側に音声波形が出ます。

音声ファイル(標準再生)のパネルが出てくるので左上にある音量レバーを動かして曲のどの位置でも波形がはみ出ない程度に大きく設定します。

10.これで画像データのLayerをクリックすると動画ファイル(標準画面)のパネルが出ます。

 画像のズームは左の4番目のスライダーで拡大率を変え、

 位置は再生ウインドウ上の画面をドラッグして調整します。

11.画面を変える所で分割して大きさなどを変えて編集します。

 分割しても使用する音声は動かさない事。

12.左端のLayer 表示をクリックするとそのレイヤーが有効になるかどうかをトグルスイッチで決められます。

私は表示しない物は消さずにダミーのレイヤーに入れて戻せるようにしています。

この画像ではLayer 4が音声、Layer 5がダミーにしているので灰色になっています。
 レイヤーは数字が大きいほど前に重なって見えます。


これが今回の編集したYoutubeの動画です。

お楽しみください。

パイレーツ オブ ザ カリビアン TRO 指揮 田川 徹

Youtubeで見るときは画質の設定がHD1080pになっていると一番綺麗な画面が見れます。
時々自動でも悪い画質になっているときがあります。例えば360pなど。

2015年12月14日月曜日

ベートーベン「運命」を全曲Canon iVIS mini X で撮って編集してみました

長男の指揮する

米国アリゾナ州の
ツーソン レパートリー オーケストラの日本ツアー2015
に作曲とピアノで参加しました。

ベートーベンの運命を次男が客席から撮ってくれたので編集して Youtube に公開しました。

ツアーの直前に、音楽用に最適な


 Canon iVIS mini X を買って色々試してみています。

感想は手軽で素晴らしいですね。---おすすめです

音も ZoomのH4 と遜色ないようです。
USB端子を壊してしまったし H4 の出番が少なくなりました。

今回は売りになっている

超広角レンズのモード(ワイド 魚眼)でなく、

アップ(普通に取れるが、デジタルズームと同じく中心部を切り取っているだけ)で撮影し、

AviUtil Version 1.00 (Windows 7)の
   拡張編集機能を使用して編集により一部ズームアップしてみました。

撮影モードはMP4の17Mbpsで1920x1080 ドットです。
4Mbpsの1280x720 ドットだとズームにすると画面が粗くなります。

編集後メインメニューの
ファイル/プラグイン出力/拡張 x264 出力(GUI)EX で出力できます。

MP4の出力を「ビデオ圧縮」ボタンで4000kbps に設定しています。
メインメニューの
設定/サイズの変更/1280x720 にうっかり選択したのですが、せっかく1920x1080ドットで撮影したのに画質が悪くなりました。Youtube で公開するのなら「なし」の方が良いと思います。

もう一度、設定変更後出力すればよいのですがコンピュータが遅いのでまたの機会にします。

今回は 35分51秒のMP4 1280x720 で出力データサイズが1.03GB。
出力時間がなんと6時間8分要しました。(寝ている間)
コンピュータも寿命かもね。


気がついたことは

1) 撮影の時は
 高画質の広角で撮っておいて
 編集でアップやズームすれば効果的で良さそうです。

  どの撮影モードも画質は同じでデジタルズームしているだけ。
  編集しない場合は適切なモードが良い。

  魚眼も周りの様子が分かって面白いと思いました。

2) メモリカードはPNY 64GB SDXC が安かったので使用していますが問題なく使えています。

  MP4 17Mbps で 8時間20分くらい録画できます。
       4Mbps だと 34時間45分だそうです。(連続撮影は12時間でストップ)

3) なるべく高さのある三脚などを使ったほうが良い。

  二階で取ればよかったですね。

4) バッテリーは 100分 くらいしか持たない。

   長時間のときはパワーアダプターを使用してください。
   パワーをオフの時しか充電しないので注意してください。
   一度、失敗してしまいました。


ということで

ベートーベン 交響曲 第五番 運命

 ツーソン レパートリー オーケストラ、
 倉敷アカデミーアンサンブルなど米国と日本のプロミュージシャン有志の合同オーケストラ
 指揮 田川 徹 の演奏をお聞きください。
   2015年10月17日 岡山県、吉備中央町、レインボーホール です。

Beethoven Symphony No.5 TRO Toru Tagawa conducts 10/17/2015 Kibichuo-cyo, Japan


2015年12月13日日曜日

覚える Yardbird Suite のコードの構成音 2

さてYardbird Suite のコードの構成音を全部書いて見ます。

メージャースケールは
3と4の間と7と8の間が半音で
あとは全音(半音2つ)となっていますので
あわてずに数えて書き出しましょう。

1) メージャ6のコード  は 1 3 5 6(ドミソラ)です。

C6  ---C E G A
     C(1) D(2) E(3) F(4) G(5) A(6) B(7) ですね。  
   ドミソとド ティ ラのラの音です。

2) マイナー6のコードは 1 b3 5 6 (ドメソラ)

Dm6 ---D F A B
    D(1) E(2) F#(3) G(4) A(5)B(6)C#(7)
  b3の音はFです。
 ド ゥレ メのメ(me)の音です。
Em6 ---E G B C#
    E(1) F#(2) G#(3) A(4) B(5) C#(6) D#(7)
   b3の音はG

3) ドミナント7thのコードは 1 3 5 b7 (ドミソテ)
7thコードはドミナントの機能のためが多いのでドミナント7thと言います。
メージャスケールの7番目はメージャー7thとして特別なのでmaj7、△、Maj7,M などと、
わざわざ書きます。ただ 7 と書いてあればb7の事です。

D7 --- D F# A C
  2)で書いたものが使えますね。
  b7はCです。
  1オクターブ順に上がるのは長くて考えにくいので4つづつ考えると楽ですよ。
  ドゥレミファ(D E F# G) と上がると最後が半音

    ドティラソ(D C# B A)と下がると最初の音が半音となっています。

  ソラティド(A B C#D)と上がると ドゥレミファとおなじで最後が半音

G7 --- G B D F
   G(1) A(2) B(3) C(4) D(5) E(6) F#(7)
   b7 はFでルート(1、8)の音の1音(半音2つ)下です。
 オクターブより1音間隔が短いと考えると覚えやすく弾きやすいと思います。

A7 --- A C# E G
  A(1) B(2) C#(3) D(4)  E(5) F#(6) G#(7) A(8)
 
Bb7  --- Bb D F Ab
  Bb(1) C(2) D(3) Eb(4) F(5) G(6) A(7) Bb(8)

B7  --- B D# F# A
  B(1) C#(2) D#(3) E(4) f#(5)
  B(8) A#(7) G#(6) F#(5)

4) マイナー7thのコードは 1 b3 5 b7 (ドメソテ)

Dm7 --- D F A C
Em7  --- E G B D
Fm7  --- F Ab C Eb
   F(1) G(2) A(3) Bb(4) C(5) D(6) E(7) F(8)

5) マイナー7フラット5th のコードは 1 b3 b5 b7  (ドメセテ)
Em7b5 ---E G Bb D
F#m7b5---F# A C E
      F#(1) G#(2) A#(3) B(4) C#(5) D#(6) E#=F(7)

これも難しそうなコードですが実は半音上のメージャースケール上にある音です。
Em7b5の半音上はFのスケールでDマイナーの自然短音階に出てくる音です。
色んな覚え方がありますね。考えてみると楽しい。サブドミナントマイナーのGm6と同じ音だしね。
ちょっと大変ですが書いてみると良く分かります。
頭の中に正確にあれば弾けるものです。

トロンボーンも良いものですね。

Steve Davis, Hank Jones Quartet - Yardbird Suite (2009 Jazz Legacy)



2015年12月12日土曜日

覚える Yardbird Suite のコードの構成音

それではここでYardbird Suiteに出てきたコードの構成音を確認してみましょう。

C   Fm7/Bb7  C/Bb7   A7
D7   G7          Em7/A7  D-7/G7

C    Fm7/Bb7  C/Bb7   A7
D7   G7          C          C/B7

Em   F#m7b5/B7 Em7    A7
Dm   Em7b5/A7  D7      Dm7/G7

C     Fm7/Bb7    C/Bb7   A7
D7   D-7/G7      C        (Dm7/G7)

すると出てきたコード名は出てきた順番ですと

C  Fm7  Bb7 A7 D7 G7 Em7 Dm7 B7 Em F#m7b5 Em7b5 Dm ですね。

ここでジャズに使うコードは4つの音で考える事にしましょう。

コードの音が3つになったり4つになるとバランスが悪くなるのでジャズは4つで考えます。
(クラシックは3つで考えるため7thの時は1つ省きます。)


C  Dm などのように3声のコードには6を加えます。C6 Em6 Dm6とします。

構成音を考える時はメージャースケールに1から順番に番号で考えます。
おさらいすると

do  re  mi  fa  so  la   ti    do  re  mi    fa    so   la    ti
1   (2)  3   4   5    6   7    (8)   9  (10)  11  (12)  13   (14)
     9      11      13

括弧の番号はあまり使いません。半音上は#、半音下がりはbを番号の前につけます。
例えばb5、#9のように使います。コード名のルートの音にはF#のように後につけます。

覚えると楽なので全ての12種類のキーの番号がパッと分かるようになってください。

1) メージャ6のコード  は 1 3 5 6です。

C6  ---C E G A
     C(1) D(2) E(3) F(4) G(5) A(6) B(7) ですね。  

2) マイナー6のコードは 1 b3 5 6

Dm6 ---
Em6

3) ドミナント7thのコードは 1 3 5 b7

D7
G7
A7
Bb7
B7

4) マイナー7thのコードは 1 b3 5 b7

Dm7
Em7
Fm7

5) マイナー7フラット5th のコードは 1 b3 b5 b7
Em7b5
F#m7b5

ということで宿題にします。次回までに書いてみてください。

今日は朝から土砂降りの中、グランドピアノがある邸宅でジャムセッション、
疲れたときはジャズを聴くのが一番ですね。
なんとスローバラードからでています。

Joe Lovano "Yardbird Suite" from the album Bird Songs


 


2015年12月11日金曜日

覚える Yardbird Suite コードを歌ってみる

4.コードをド(do)ゥレ(re)ミ(mi)で歌ってみよう

コードを覚えるためにメロディと同じようにドゥレミで歌ってみましょう。
キーがCなのでCをドとしてそのまま歌います。(移動ドですが同じですね。)
マイナーとかセブンスなどは無視して根音の音だけ歌います。
キーがCの普通のコードは C Dm7 Em7 F G7 Am7 Bm7b5 となるのでそれ以外の種類のコードだけを気をつけて覚えるようにします。コードの種類までは早いと歌えませんものね。

C   Fm7/Bb7 C/Bb7         A7      ド   ファテ  ドテ   ラ
D7   G7           Em7/A7 D-7/G7    ゥレ  ソ    ミ/ラ    ゥレ

C   Fm7/Bb7 C/Bb7  A7          ド   ファテ  ドテ   ラ
D7   G7       C     C/B7        ゥレ  ソ      ド    ドティ


Em  F#-7b5/B7  Em7  A7          ミ   フィティ  ミ   ラ
Dm  Em7b5/A7    D7      Dm7/G7       ゥレ  ミラ  ゥレ  ゥレ

C   Fm7/Bb7 C/Bb7  A7           ド   ファテ  ドテ   ラ
D7  Dm7/G7  C    (D-7/G7)       ゥレ  ゥレ   ド     (ゥレソ)

歌えるようになったら、好きな演奏にあわせて一緒につぶやいてみてください。
ベースを聞くと一緒に演奏している気分になれますよ。
曲の途中で分からなくなったらまた初めから。

アルトのソニースティットの演奏です。ゆっくりなので歌いやすいと思います。

2015年12月10日木曜日

覚える Yardbird Suite コード 2

3.コードとコード進行

(2) サビ(ブリッジ)

今日で十枚位書きましたが、まだパッと書けないところがあるので演奏はまだ危ないですね。
五線は大分真っ直ぐ線が引けるようになりました。
面白い物ですね。

さて サビのメロディから考えるとコードはCから3度上がって Em A7 Dm G7 が各2小節ずつとなっているようです。よく見るとAの一番括弧の2小節のターンバックコードと同じ感じですね。

詳しく見てみましょう

最初の2小節はEmのメロディです。トニックの代理の感じです。
2小節目のコードF#m7b5/B7は3小節目のEm7にスムーズに行くためのEmのドミナントコードとのその拡張なので無視してEm7と考えます。

3小節目Em7は4小節目A7の拡張なのでA7と考えます。
このコードはは5小節目のDmに行くためのドミナント7thコードですね。

5小節目Dmと6小節目のEm7b5/A7は7小節目のD7に行くためのドミナントなのでさしあたりは無視してDm7と考えます。

7小節目のD7はメロディからすればDm7でも良いようですDm7はG7の拡張コードですから7,8小節目はG7で置き換えてみます。

これでメロディとコードを弾いても違和感が無いようです。

そうするとEm7はトニック、A7もDm7をサブドミナントと考えるとトニックの機能を残しながらスムーズに行くためのものと考えて、少しずれたトニックですね。次の5小節目のDm7はサブドミナントで最後はドミナントとなります。

サビの部分は

I  I  I   I
IV IV V7 V7

という I IV V7 の進行になります。
代理コードになると曖昧にスムーズにカラフルになるわけです。
コードはベースのメロディの音色が変化するようなものです。

それでは良さそうなサビのコードは
Em  F#-7b5/B7  Em7  A7
Dm  Em7b5/A7    D7      Dm7/G7

となります。 サビに入る一小節前はEmのドミナントでC/B7 かまたはF#m7b5/B7 とします。

これで確定したコードは次のようになります。(括弧内は好みです。)

A
C   Fm7/Bb7(Ab7) C/Bb7         A7
D7   G7           Em7/A7(C/Eb7) D-7/G7

A'
C   Fm7/Bb7(Ab7) C/Bb7  A7
D7   G7       C     C/B7(F#m7b5/B7)

B
Em  F#-7b5/B7  Em7  A7
Dm  Em7b5/A7    D7      Dm7/G7

A''
C   Fm7/Bb7(Ab7) C/Bb7  A7
D7  Dm7/G7  C(/A7)    (D-7/G7)


2015年12月9日水曜日

覚える Yardbird Suite コード 1

3.コードとコード進行

今、覚えるために分析していますが楽譜を見ながらの演奏でも事前に分析してたほうがよいですね。

ジャズミュージシャンは全員がアレンジャーで考えながら弾いているわけです。
そこが面白くて病みつきになっているところです。

今日はキーを変えて書いてみました、トランペット等のBbの楽器用に1音上のDにしてみました。
Bb(Eb) の楽器の人用には譜面を用意してないことが多いので Cメロの楽譜でも読めたほうが便利です。昔トランペットだったので苦労してました、未だにバッとは出来ませんね。

移動ドのドゥレミの階名で覚えていると少しは楽に出来そうです。


さてメロディを確実に覚えてれば、アドリブも何とかごまかせるのですが伴奏をする楽器はそうは行かないので確実に覚えていないと、はた迷惑です。

コードを確実に覚えるのは私にはかなり難しい事です。メロディを弾きながらなら予測で来るのですが人が何の音を弾いているか良い耳を持っていないので残念ながら私には分かりません。

さて市販の楽譜は変なコードが付いていることが多いのでジャズで演奏できるコードに書き換える必要があります。
比較的Real Book等やiRegal B New Real Book のコードは良いようです。

この譜面のコードはまあまあです。

他の譜面を色々探してみると多種多様ですが
アドリブやアレンジにあわせてコーラスごとに変えても良いわけなので自由に考えればよいのです。

(1) A の部分は 3つとも メロディイから考えると大まかには

I IVm I IV IV V7 I I/(V7)   となっています。

I  トニック V7 ドミナント IV サブドミナント IVm サブドミナントマイナー
 

2小節目は Fm7/Bb7 かまたはAb7
どちらもBbの音が11th、9thとなりテンションリゾルブしていいですね。
 ここは IVm のFm の代理コードですね。

3小節目の C7 は C が良さそうです。

1番括弧の2小節目からは頭に戻るためのターンバックなので色々考えられます。

 2小節目を C/Eb7 としてもいいですね。

Eb7はA7の代理コードでA7の3とb7が逆になったもので機能的に同じなので半音進行に良く使います。
(A7の3=C#,Db,でb7=G なのでEb7の3=G,b7=Db)

2番括弧の2小節目も C が良いでしょう。
3小節目の C の変わりにB7のIIm7b5のF#m7b5でも好みですね。

というわけで Aの部分は
A
C   Fm7/Bb7 C/Bb7  A7
D7   G7       Em7/A7 D-7/G7

A'
C   Fm7/Bb7 C/Bb7  A7
D7   G7       C     F#m7b5/B7

A''
C   Fm7/Bb7 C/Bb7  A7
D7  Dm7/G7  C    (D-7/G7)

次回はサビの部分を考えましょう。

2015年12月8日火曜日

覚える Yardbird Suite メロディ 2

2. メロディについて

2) B の部分

17小節目からのサビのメロディは3度上がったEマイナーが4小節、続いて2小節Dマイナーに下がって最後の2小節はCのドミナントモーションで戻っています。

ここでムードががらりと変わっています。

 3度上がったEm(この楽譜ではEmiと表記、書き方はE-やEMINなど沢山あるので想像しなければなりませんね。)はCmaj7と同じ音なのでFがF#の音に変化しただけとも考えられ代理コードにもなります。(リディアンスケール)

細かく転調と考えなくてもCに戻ってきているのでドゥレミで歌う場合はそのままが私は歌いやすい。
つまりどちらでも良いと思います。

一応メロディはスケールに沿って(スケールワイズ、順次進行)波打ちながら mi から la まで上がってだんだん下がって下の la から一気にオクターブ上がってサビの終わりに行きます。

今日は五線も書いてみました、細く書くのは難しいですね。

曲を覚えるのはサビの終わりとA''の曲の終わりが覚えにくいですね。
単に始めの方は回数多く練習するだけかもしれませんね。

英語読みの do re mi fa so la ti do は半音も歌いやすいので慣れると便利ですよ。

それから A の2小節目のマイナースケールはメロディクマイナーで下がるときは
do te re so となり 上がる時は so la ti do とメージャースケールと同じですね。

次回はコード進行を考えましょう。

バディリッチのビッグバンドの演奏です。



2015年12月7日月曜日

覚える Yardbird Suite メロディ

2. メロディについて

1) A の部分

最初の、8小節のメロディを眺めてみると2小節目に半音が出てくるのみで
後の音は C メージャスケール(ハ長調)の音です。
2小節目の音も良く見ると C ナチュラルマイナー(自然短音階)の音階です。


主な音の流れは

A(最初の8小節) は

do(C)  te(Bb)/le(Ab)  so(G)  **/fa(F)

mi(E)  re(D)              so(G)   so(G)

     と so の音がドミナントの音(赤字

A' (2回目の8小節)は

do(C)  te(Bb)/le(Ab)  so(G)  **/fa(F)

mi(E)  re(D)        do(C)     **

  と do の音で C メージャスケールの主音(1、ルート 赤字)となり、落ち着きます。

一オクターブ上の ド から始まってだんだん下がってきて、続けるために真ん中の音に戻り
またジャンプしてだんだん下がっていって下の ド で落ち着いたわけです。
メロディイには重力のようにエネルギーや加速度があるので時々ジャンプしてエネルギーを
補充するのですね。

茶色の字の te(Bb)/le(Ab)  がブルーノートでもあるしマイナーのムードで特徴のある部分です。
パーカーの凄い所ですね。

パーカーの曲はモダンジャズのリズムの模範みたいな物なので、
覚えてアドリブや作曲に使うと効果的ですよ。
特にシンコペーションと三連符の使い方が素晴らしい。

同じように終わるために A'' (最後の8小節)は、4小節目が la(A)の音に上がるための
エネルギーを蓄える助走のようなフレーズになって、終わりのフレーズに向かっています。

魅力的で口で音階を歌いにくいところですね。

次回は B (サビ、ブリッジ)を考えて見ましょう。

トランペットとピアノの素晴らしいデュオを見つけました。

Yardbird Suite - Roy Hargrove



2015年12月6日日曜日

覚える Yard Bird Suite 形式

さて今日書いてみるとまだ音の長さと休符が間違えていました。



演奏する時は、いろいろ変えるのですが一応正確に覚えたほうが良いですね。
書いてみました

覚えやすくするために曲を少し分析してみましょう。

1. 曲の形式

この曲の形式は 8小節ごとの A, A' B A'' の32小節で、 キーは C メージャーです。

A  と A' は6小節目からが少し違います。
A は繰り返すためのメロディとコードになっています。

 G7 Em7/A7 Dm7/G7 




A' は B (サビまたはブリッジとも呼びます。)に行くため、

C のコードに解決してEmに進行しやすいようにEmのドミナントコードの B7 が入っています。

A'' は4小節目から曲の終わりの雰囲気を出しています。


ということは最初の5小節を覚えると13小節分覚えた事になりますね。

まずは最初の16小節を確実に覚えましょう。

ここでスタンゲッツとチェットベーカの演奏を聞いて見ましょう。
あれ、サビはアドリブしていますね。
パーカのアドリブだったのですね。素晴らしい。



ということはサビのコード進行だけで良いのかもしれませんが、
このメロディを演奏している人も多いので覚えましょう。

2015年12月5日土曜日

二つの日本ツアーから帰ってきました。

10月10日から11月16日まで2つの日本ツアーに参加しました。

お世話してくださった方ありがとうございました。

長男が始めて指揮をしているアリゾナの Tucson Repertory Orchestra の35人と

ミニドカスウィングバンドの25人のツアーでした。

忙しかったけれど沢山の人と会えて一緒に演奏できて楽しいツアーになりました。
65人のオーケストラやダブルビッグバンドの演奏は圧巻でした。

広島での作編曲した日本語ジャズのCDリリースライブから始まり、

TROのコンサート、広島市、岡山県倉敷市、吉備中央町、

2つのツアーの間には長崎にも帰ってきました。

東京ではファミリーバンドのライブも楽しみました。

ミニドカスウィングバンドでは
神奈川県藤沢市、東京、
福島県いわき市、南相馬市、静岡県御殿場市と回ってきました。


1. 初めてオーケストラのために作曲しました。
長男がバイオリンと指揮、三男がベース、ピアノが私です。

Jazz Triple Concerto 10月14日広島

2. ミニドカスイングバンドのためにアレンジした曲です。

Tokyo Boogi Woogi  11月14日南相馬 ニューアートと合同演奏

3.東京
11月10日六本木のフランシスカンチャペルセンターの全コンサートの模様です
増山秀人さんが撮影し提供してくださいました。

第一部

第二部