2020年7月9日木曜日

ベースの分析 サムジョーンズ「枯葉」 ウォーキング

サムジョーンズの「枯葉」のシンプルなウォーキングベースを一緒に見てみましょう。
Autumn Leaves - Bass Transcription
 sam jones (somethin' else cannonball adderley)

2:00からキャノンボールアダレイのアドリブソロからです。

37[A]
Cm7 F7 Bb Eb
Am7b5 D7 Gm Gm

37Cm7 
シンプルにサックスのソロを待つように
ルートの2分音符から始まり1-1、5 と次のF7へ

38F7/B7 
代理コードのB7に変えたような採譜になっているが
たぶんBbのルートにスムーズに行くためにBとFの音から進んだのだと思います。
Bdimのディミニッシュアプローチとも考えられますが、
4拍目にFの音を弾いているので、
Bを3拍目に弾いた時に早すぎたと思ったのかもしれませんね。
シンプルにF7の1,5、b5,1でしょう。

39Bb
1、3、6、5 とシンプルに次のEbのルートに向かいます。

40Eb
これもシンプルに1,5,3,1です。

次の4小節はGmに向かいます。
41Am7b5
このコードにはb9ではなく9thを使っています。
これもm7b5には良く使います。
1、9(2)、b3、3 と次のD7のルートに2拍目から半音進行です。
もう一つの考えはコードトーンの半音下からのアプローチです。
b3のCの半音下のDから次のD7のDの半音下から。

42D7
これは同じようなパターンですが、9thのEからというより、
3のF#へ半音進行で行ったようです。
それとGmのメロディックマイナースケールの上向型を使ったので9thなのかもしれませんね。

43Gm Gm/G7
は8,5,1,5 | 1、b3 5、3
とトライアドの分散和音
ですがG7の3の音のBが
次の8小節[A']のCm7の半音下で強力な進行になっています。
ここまでほぼ1と5が中心のシンプルなラインでした。

45[A’]
Cm7 F7 Bb Eb
Am7b5 D7 Gm Gm

45Cm7
1、b3,5,b5 と次のF7にスムーズに半音進行です。

46F7
1(F),3(A),5(C)、b5(B)と、
ここは4拍目にBbに向けて半音上から下げています。
ということはたぶん38小節目もF7と思って弾いていたのではないでしょうか。

47Bb
1-#1-2(9)-163
と半音進行で4拍目を三連音符にしてリズム的に変化をつけて、次のEbのルートに半音下から向かっています。
これも6(G)、3(D)はベースの開放弦なので押さえなくてすむので3連音符のリズムが弾きやすいので使ったのでしょう。
0.5秒以内なら何の音でも良いのですが6と3の音でもあるので都合が良いわけですね。

48Eb
これも1-5-3-1とシンプルに三和音の分散和音です。

49Am7b5 50D7
41-42小節の演奏と全く同じ音。

50-51Gm
8-5-b3-5|1-b3-5-8
と2小節同じコードが続くので一オクターブにわたって
トライアドの分散和音です。

シンプルで安定したリズムの素晴らしい演奏ですね。

さていよいよ2:32[B]のサビの部分に入ります。
[B]
D7 D7 Gm Gm
Cm7 F7 Bb Bb

53-54D7
1-2-3-5|7-8-5-1
と2小節に渡るために1オクターブ上がって元に戻っています。
7の音は単に8に行くための半音下からの経過音です。
ベースは徹底してシンプルに三和音のみを使っていますね。

55-56Gm
8-5-b3-5|1-b3-5-b5
と分散和音で最後のb5(Db)は次のCm7の半音上からの経過音です。

57Cm7
1-8-5-b5
と4拍目を次のF7のルートに半音進行です。

58F7
1-5-3-b5
分散和音でBbへ半音上から進行。

59-60Bb
8-6-5-7|1-5-3-1
これも6と7の音を経過音として使った分散和音です。

2:54最後の[C]8小節です。
1小節目のコードはAm7b5の間違いだと思います。
[C]
Am7b5 D7 Gm Gm
Am7b5 D7 Gm Gm

61-64Am7b5 D7 Gm Gm
49小節目からの4小節目の1拍目まで全く同じ。
最後のGmも1-7-1-#1と半音で動いて次のAへ。

65Am7b5
61小節目と同じ。

66D7
は1(D)-1-b5(Ab)-b5
ですが3拍目からは多分代理コードのAb7として
Gmのルート(G)に進んでいると思います。

67-68Gm
8-2(9)-5-1|2-5-1-3
ここは次のコーラスに行くためのサインのようなものだと思います。
次のコーラスの頭のCm7に行くために最後をG7にしている。
低い音がA-G|A--B|C
 ラーソー|ラーティ|ド と動かしている。
無理に一拍づづコードを付けてみると
GmAm7b5D7Gm|Am7D7G7-
と考えてターンバックのように使ったのかもしれませんね。
(参考)
ターンバック 次のコーラスの頭に行きやすいように
最後のコード進行を変更する。
(例 C | C
=> C-A7|Dm7-G7 )

とワンコーラス分析しましたが
後のコーラスを自分で分析すると楽しいですよ。

サムジョーンズは本当にシンプルでいいですね。
難しい事は全くしてなくて、良いリズムを出してやれば、
ソロイストがシンコペーションなどを使うと引き立つわけですね。
ベーシストは三和音だけ知っていて一オクターブ弾ければ
後はリズムに集中すればバンドで直ぐ出来ますね。

ソロイストによってどんな風に弾き方が変わるかに注意するのも面白いと思います。
いろいろな年代のベーシストを研究してみてください。

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