それでは Four のコード進行を考えて見ましょう。
レコードなどではマイルスの作曲となっていますが、
サックス奏者の Eddi "Cleanhead" Vinson が作ったものらしいです。パーカーのDonna Leeはマイルスの曲だそうですしね。
Four
[ A ]
Eb Eb Bbm7 Eb7
Ab Ab Abm7 Db7
[ B ]
Eb F#m7/B7 Fm7 Bb7
Eb F#m7/B7 Fm7 Bb7
[ A ]
Eb Eb Bbm7 Eb7
Ab Ab Abm7 Db7
[ B' ]
Eb F#m7/B7 Fm7 Bb7
Gm7/Gbm7 Fm7/Bb7 Eb Eb ||
コードを番号に変えて考えれば良いのですが、
私には C のキーで考えた方が分かりやすいので書き換えて見ます。
大昔友人の上手いサックス奏者はメージャーのキーは C で、マイナーのキーはDmで曲を覚えていると言ってました。
つまり彼はアルトサックスでEbとFm、
クラリネットでBbとCm、
フルートでCとDmと吹き分けていました。
指はほとんど同じですしね。
今思うとそれもあって曲をすぐ覚えられたのだなあと
改めて感心しています。
初見は不得意でも、音楽として捉えられたのだなあと思います。
[A]
C C Gm7 C7
F F Fm7 Bb7
[B]
C Ebm7/Ab7 Dm7 G7
C Ebm7/Ab7 Dm7 G7
[A]
[B']
C Ebm7/Ab7 Dm7 G7
Em7/Ebm7 Dm7/G7 C C(Dm7/G7)
どうですか簡単になったように感じませんか。
上手くなる人は物事を単純化することが得意なのでしょうね。
ところでよく見るとなんとMistyの [A] [A'] とほとんど同じです。Mistyは半分の8小節づつになっています。
一つ有名な曲を覚えると同じようなコード進行の曲はたくさんありますね。コード進行を使って作曲するのもチャーリーパーカーの頃からジャズでは流行っていますし。
良いコード進行を使うと作りやすいですし、
著作権を払わないためだったという説もあります。
Misty
C Gm7/C7 F Fm7/Bb7
C/Am7 Dm7/G7
(1)Em7/A7 Dm7/G7:II
(2)C C ||
それでは[A]から考えて見ましょう。
[ A ]
C C Gm7 C7
最初の2小節のメロディは
「そ ら てぃ ぅれ ど てぃ」
とCのコードの56789の音で
テンションが入ったトニックですね。
(注)トニックからはどのコードにでも飛んで行けます。
一度解決(安定)しているわけですから。
次の2小節は「そ ら てー」と
5 6 b7 とブルーノートが入っています。
トニックコードにb7が加わるとC7になります。
これをFのドミナントと考えるとスムーズに5小節目のFに進めます。
このC7を拡張代理コードのGm7とC7に置き換えてあります。
まあ4小節全部はトニックなので、
Fのサブドミナントに進行する前をスムーズにするために追加したと考えても良いでしょう。
(注)C7の上に3度ずつD、Fと積み上げるとGの上の方はGm7になります。これは自由に行き来ができるのでGm7/C7 Gm7/C7 などと頻繁に使われます。
ジャズでもっとも重要な II V (ツーファイブ)の進行ですね。
5小節目からは
F F Fm7 Bb7
なのですがメロディは4度上がったものです。
コード進行は同様に4小節がサブドミナントのFと考えて、
ブルーノートのメロディの7小節目からは少し暗くなって、
Fmとブルーノートである7thの音を加えてFm7、
そしてまた II V と考えてFm7 と Bb7 に分解して
B セクションのトニックにスムーズに落ち着くようにしています。
(注)楽譜によっては最初の4小節間も同じ進行にして、
C C Cm7 F7 とすることも多いです。
(注)FからCに行く進行を賛美歌の終わりのアーメンと歌う場所に使われているので、アーメン終止とも呼びます。
ドミナントモーションよりも柔らかな進行です。
次回はBセクションを説明します。
Fourのビデオ
このマイルスのBlue Hazeの録音はEbになっているので以前紹介したものはレコードが半音下がっていたのでしょう。
演奏はアートブレーキーのドラムのイントロがジャズ喫茶で良く聞いて耳に残っています。後のForu and More のアンソニーの名演と共に好きなソロです。
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