ジャズと他の音楽との違いはなんでしょうか。
「モダンジャズの八分音符」でも説明しました八分音符ですね。
ロックやボサノバ、ラテン、クラシックなどは
八分音符はその名の通り四分音符の半分の長さです。
ロックやボサノバは八分音符をワンビートとして数えるので、
4分の4拍子で楽譜が書いてあっても、
一小節には八分音符が8個あるのでエイトビートと呼びますね。
つまり他の音楽は本当に八分音符は長さが決まっているのです。
でもジャズの四分音符は他の音楽と同様に同じ長さです。
でも八分音符はテンポによって長さが変化します。
大まかに言うと
ジャズは楽譜にも八分音符は3連音符の前2つと後ろ1つ
で演奏すると書いてあるように演奏します。
実際にはテンポごとに少しずつ揺れています。
踊りやすいテンポの120位の時は、
ビートごとの後ろの八分音符は大体三分の一の長さになり、
スイングらしいものになります。
テンポ300位のエネルギッシュな演奏の時は
均等の八分音符になります。
そしてテンポ60位のスローになると
八分音符を普通の四分音符のように演奏して、
16分音符が八分音符のように長さが変化してスイングするのです。
なかなかジャズのメロディやリズムがうまく演奏できないし、
アドリブにジャズらしいメロディが浮かんでこないとよく聞きます。
確かに、楽器はすごく上手でコードのハーモニーは
ジャズらしい音を使っているのですが、
何年経ってもジャズになってないことが多いのです。
もう最初の一小節くらい聞くと違うなと思うことがよくあります。
多分原因はジャズのリズムをしっかり掴んでいないのだと思います。
リズムについての説明や練習法は少ないですよね。
メロディ楽器の人はベースとドラムがどう言う風に弾いているのか知らないまま演奏していることが多いように思えます。
ベースとドラムを一週間ずつでも演奏してみれば
簡単に解るのにと思えることが多いのです。
逆もまた同じですけれどね。
メロディを演奏している時も休みのところでは、
頭の中ではベースの音やドラムの音が鳴ってなくては
一緒に共振しながらの演奏、つまりグルーブは出ないのです。
ピアノはその両方の役割をしていて
しかも一本指で叩くだけで簡単に演奏できるので、
おすすめですね。
さて八分音符の話に戻りましょう。
これは私の仮説なのですが、
4ビートのモダンジャズのスゥイングのリズムでの
1)裏ビートの八分音符は
次のビートの装飾音符(ドラムではフラム)と考える。
つまり次のビートに繋がるフレーズ。
2)各ビートで始まるフレーズには装飾音符をくっつける、
または装飾音符の長さだけ早く音を出してシンコペーションの演奏する。当然アクセントが付きます。
同様にフレーズの中に長い音符があれば装飾音符か少し早く音を出す。
また装飾音符の演奏方法は、
装飾音符は少し早く音を出す方法と、
装飾音符をビートから出して遅れた感じにする2つの方法があり
好きな方にする。
のようにすると辻褄が合うのではないかと最近考えています。
こうすると自然にジャズらしいメロディのフェイクにもなりますね。
この読み方だとテンポが変わっても
そのテンポの八分音符の長さが演奏できるわけです。
つまり4分音符だけはベースやライドシンバルとハイハットで
一定周期で
ボンー、ボンー、ボンー、ボンー | ボンー
と演奏して、
間に八分音符が来れば、
ボンー、ボンー、ボンー、ボンー (ッ)| ボンー
と赤字のッの音が装飾音符となり、ゴーストノートとも言えますね。
少し例を挙げて見ましょう。
1)ライドシンバルだと
ツーン、ツーン、ツーン、ツーン |ツーン、
に 3拍目と1拍目に装飾音符をつけると
ツーン、ツー (ク)、ツーン、ツー(ク)|ツーン、
となり テンポが早くなると八分音符に近づきます。
2)「枯葉」の出だしですと
シャンソンやポップスですと四分音符が3つ続いて、
小節の頭が全音符です。
か れ は|よーーーー|
となりますが、
ジャズですと
「か」と「よ」に装飾音符がついて
(か)ぁ れ は (よ)|ぉーーーー|
(か)と (よ)が少し早く音を出すので
シンコペーションになり
ジャズっぽくなりますね。
Chet Baker のトランペットの演奏を採譜したものです。
ミディアムテンポの演奏です。24秒から始まります。
メロディにシンコペーションがかかって
ジャズになっているのがわかりますね。
マッコイタイナーのトリオのもう少し早いテンポの演奏です。
岸洋子のシャンソンです。
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